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記事公開日:2026年3月26日
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最終更新日:2026年3月26日
自宅開業の経費はどこまでOK?家賃・住宅ローン・光熱費の扱い
読了予測:約4分
「自宅で仕事をしているけれど、家賃や光熱費は経費にできるのだろうか?」
「自宅開業の場合、どこまで経費として計上していいのか分からない」
このような疑問を持つ人は少なくありません。
自宅で開業した場合でも、事業に使用している費用は経費として計上できます。
ただし、家賃や光熱費など生活と共通している費用は、すべてを経費にできるわけではなく、「家事按分」という考え方で事業に使った分だけ計算する必要があります。
この記事では、自宅開業で経費にできる費用の基本的な考え方をはじめ、家賃・住宅ローン・光熱費などの具体的な扱いをわかりやすく解説します。
自宅開業の経費計上のポイントを理解し、正しく節税につなげるための参考にしてください。
Contents
自宅で開業した場合でも経費にできる

自宅は本来生活のための場所ですが、事務所や作業スペースとして使用している部分がある場合、その事業に関係する費用は必要経費として扱うことが可能です。
ただし、自宅にかかる費用のすべてを経費にできるわけではありません。
ここでは、自宅を事務所として利用する場合の基本的な考え方と、どのように経費として扱うのかを解説します。
自宅を事務所として使う場合の考え方
自宅開業では、自宅の一部を事務所や作業スペースとして利用するケースが多くあります。
例えば、自宅の一室を仕事専用の部屋として使っている場合や、リビングの一部を仕事スペースとして使っている場合などです。
このように自宅を事業のために使用している場合、そのスペースに関連する費用は経費として計上できる可能性があります。
事業で使った分だけ経費にできる
自宅開業では、家賃や光熱費などの費用を全額経費にすることはできません。
経費として認められるのは、あくまで事業で使用している割合に応じた部分だけです。
自宅開業を検討しているけど、自分にはできるだろうか?と悩んでいる人は、下記の記事も参考にしてみてください。
自宅開業の経費で重要な「家事按分」とは

自宅開業では、家賃や光熱費など生活費と事業費が混ざっている支出が多くあります。
そのため、事業で使用している割合だけを経費として計上する「家事按分」という考え方が重要になります。
ここでは、家事按分の基本的な考え方と、代表的な計算方法について解説します。
家事按分の基本的な考え方
家事按分の基本は、「事業に使用している割合」を基準に経費を分けることです。
生活費として使っている部分は経費にならず、事業に使っている部分のみを経費として計上します。
例えば、自宅の床面積が100㎡で、そのうち20㎡を仕事専用の部屋として使用している場合、事業利用割合は20%になります。
この場合、家賃や電気代なども20%を目安に経費として計算することが可能です。
また、部屋を完全に仕事専用にしていない場合でも、仕事に使用している時間やスペースを基準に按分することができます。
重要なのは、合理的な基準で事業割合を説明できることです。
面積で計算する方法
家事按分でよく使われる方法の一つが、面積を基準に計算する方法です。
この方法では、自宅の床面積に対して仕事スペースがどれくらいの割合を占めているかを計算し、その割合を経費の按分に使用します。
例えば、自宅全体が80㎡で、そのうち16㎡を仕事専用の部屋として使っている場合、事業利用割合は20%になります。
この割合をもとに、家賃や電気代などを20%分だけ経費として計上することになります。仕事専用の部屋がある場合は、面積按分が比較的分かりやすい方法といえます。
時間で計算する方法
もう一つの方法が、使用時間を基準に計算する方法です。
例えば、リビングの一部を仕事スペースとして使用している場合、部屋を完全に仕事専用にしているわけではないため、面積での按分が難しいことがあります。
このような場合は、仕事に使用している時間の割合を基準に経費を計算するのがおすすめです。
例えば、1日24時間のうち8時間を仕事に使っている場合、事業利用割合は約3分の1になります。
この割合を目安に、電気代や通信費などを経費として計上することができます。
主婦だけど自宅サロンを開業できる?と悩んでいる人は、下記の記事をご覧ください。
自宅開業で経費にできる主な費用

自宅開業では、自宅に関係するさまざまな費用の一部を経費として計上できます。
ここでは、自宅開業で経費として計上できる主な費用の例を紹介します。
家賃
賃貸住宅に住んでいる場合、自宅の一部を事務所や作業スペースとして使用しているときは、家賃の一部を経費として計上できます。
例えば、自宅の床面積のうち仕事スペースが20%であれば、家賃も20%を目安に経費として計上することが可能です。
水道光熱費(電気代・ガス代・水道代)
自宅で仕事をしている場合、電気代やガス代、水道代などの水道光熱費も一部を経費として計上できます。
例えば、パソコンや照明、エアコンなどを仕事のために使用している場合、その分の光熱費は事業に必要な支出と考えることができます。
ただし、これらも生活費と共通しているため、家事按分によって事業割合を計算する必要があります。
特に電気代は、在宅で仕事をする時間が長い場合、経費として計上される割合が比較的高くなることがあります。
通信費
インターネット回線やスマートフォンの通信費も、仕事で使用している場合は経費として計上できます。
例えば、オンライン会議やメール対応、ホームページの運営など、インターネットを使って仕事をしている場合、その通信費は事業に必要な費用といえます。
ただし、プライベートでも利用している場合は、仕事で使用している割合に応じて按分する必要があります。
通信費は自宅開業の多くの業種で必要になるため、経費として計上されることが多い費用の一つです。
備品や消耗品
仕事に必要な備品や消耗品も経費として計上できます。
例えば、パソコンやプリンター、デスクや椅子などの備品、文房具やコピー用紙などの消耗品が該当します。
これらは仕事のために購入したものであれば、基本的に経費として計上できます。
ただし、金額が大きい備品の場合は、一度に経費にするのではなく、減価償却として数年に分けて計上する場合もあります。
購入金額や用途によって処理方法が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
自宅開業で家賃を経費にする方法

自宅開業では、賃貸住宅に住んでいる場合、家賃の一部を経費として計上することができます。
ただし、自宅は生活のための場所でもあるため、家賃の全額を経費にすることはできません。
ここでは、家賃を経費にする際の基本的な考え方と計算方法を解説します。
賃貸の場合の計算方法
賃貸住宅の場合、自宅の一部を事務所や作業スペースとして使用していれば、その割合に応じて家賃を経費として計上できます。
一般的には、自宅の床面積のうち仕事に使用しているスペースの割合を基準に計算します。
例えば、自宅全体が60㎡で、そのうち12㎡を仕事専用の部屋として使っている場合、事業利用割合は20%になります。
この場合、毎月の家賃が10万円であれば、20%にあたる2万円を経費として計上することが可能です。
家賃の按分割合の目安
家賃の按分割合は、自宅の使い方によって異なります。
例えば、仕事専用の部屋がある場合は、床面積の割合を基準に計算する方法が一般的です。
一方で、リビングなどを仕事と生活の両方で使用している場合は、面積だけでなく使用時間を考慮して按分することもあります。
重要なのは、税務上説明できる合理的な基準で割合を決めることです。
極端に高い割合を設定すると、税務調査の際に問題になる可能性があるため注意が必要です。
家賃を経費にする際の注意点
家賃を経費として計上する際は、いくつか注意点があります。
まず、自宅を仕事に使っていることを説明できるようにしておくことが重要です。
例えば、仕事専用の部屋がある場合は、その部屋の面積や用途を明確にしておくと安心です。
また、家賃の按分割合が極端に高い場合は、税務上不自然と判断される可能性もあります。
合理的な基準で割合を設定し、説明できるようにしておくことが、自宅開業で家賃を経費にする際のポイントです。
自宅開業で住宅ローンは経費になる?

自宅を持ち家として使用している場合、「住宅ローンは経費にできるのか」と疑問に思う人も多いでしょう。
結論からいうと、住宅ローンのすべてを経費にできるわけではありません。
ここでは、住宅ローンを自宅開業の経費として扱う際のポイントを解説します。
住宅ローンの元本は経費にならない
住宅ローンの返済額のうち、元本部分は経費として計上することはできません。
元本とは、住宅を購入するために借りたお金そのものの返済部分のことです。
これは資産の取得に関する支出と考えられるため、税務上の経費には該当しません。
利息部分は経費になる
住宅ローンの返済額のうち、利息部分については、事業に使用している割合に応じて経費として計上できる場合があります。
例えば、自宅の20%を仕事スペースとして使用している場合、住宅ローンの利息部分の20%を経費として計上することが可能です。
この場合も、家賃と同様に「家事按分」の考え方で計算することになります。
住宅ローン控除との関係
自宅開業をしている場合でも、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を利用できるケースがあります。
ただし、住宅の一部を事業用として使用している場合は、控除の対象となる割合に影響することがあります。
一般的には、住宅のうち事業で使用している床面積の2分の1以上になると、住宅ローン控除の適用条件に影響する可能性があります。
そのため、自宅開業をしている場合は、住宅の使用割合や経費計上とのバランスを考えておくことが重要です。
自宅サロンを自宅開業する際の経費

自宅サロンを開業する場合、事業に必要な費用は経費として計上することが可能です。
自宅サロンで経費として計上できる費用には、例えば次のようなものがあります。
- ・施術ベッドや椅子などの設備
- ・タオルやシーツなどの備品
- ・ネイル用品や化粧品などの消耗品
- ・ホットペッパービューティーなどの広告費
- ・SNSやホームページの運用費
- ・家賃や光熱費(事業利用部分)
自宅サロンを開業する際は、必要な設備や運営費を把握し、経費として計上できる費用を整理しておくことが、無理のない事業運営につながります。
下記の記事では、自宅開業にかかる初期費用や資金調達の方法について解説しています。
自宅開業の経費計上で注意するポイント

自宅開業では、家賃や光熱費など生活費と事業費が混在する支出が多くなるため、経費計上の方法には注意が必要です。
ここでは、自宅開業で経費を計上する際に注意したいポイントを紹介します。
事業割合の根拠を説明できるようにする
自宅開業では、家賃や光熱費などを家事按分で計算することが一般的です。
そのため、事業で使用している割合の根拠を説明できるようにしておく必要があります。
例えば、面積で按分している場合は、自宅全体の面積と仕事スペースの面積を把握しておくことが重要です。
また、時間で按分している場合は、1日のうちどれくらいの時間を仕事に使っているのかを整理しておくとよいでしょう。
合理的な基準で割合を決めておくことで、税務調査などがあった場合でも説明しやすくなります。
領収書や契約書を保管する
経費として計上する支出については、領収書や契約書などの証拠書類を保管しておくことが大切です。
例えば、家賃の契約書や通信費の請求書、備品の購入領収書などは、経費の根拠となる書類になります。
これらの書類を整理して保管しておくことで、確定申告の際にもスムーズに処理できます。
また、書類は紙で保管する方法だけでなく、データとして保存することも可能です。
紛失を防ぐためにも、日頃から整理しておくことが大切です。
過度な経費計上は避ける
自宅開業では、家賃や光熱費などを経費にできるとはいえ、過度な割合で計上するのは避ける必要があります。
例えば、生活スペースがあるにもかかわらず家賃の大半を経費にしている場合などは、税務上不自然と判断される可能性があります。
合理的な基準に基づいて経費を計算し、誰が見ても納得できる割合で申告しましょう。
自宅開業に悩んでいる人は、下記の記事でメリット・デメリットを整理してみてください。
自宅開業の経費は正しく計算して節税につなげよう
自宅開業では、家賃や光熱費、通信費など、自宅に関わるさまざまな費用の一部を経費として計上することができます。
ただし、生活費と事業費が混在している支出が多いため、事業で使用している割合を「家事按分」で正しく計算しなくてはいけません。
基本的なルールを理解したうえで、自分の事業に合った形で経費を管理していきましょう。
せっかく自宅サロンを開業するなら、長くサロンを経営していきたいですよね。
下記の記事では、自宅サロンの廃業率が高い理由と、その対策方法を紹介しているので参考にしてみてください。
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